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├┼B◇○○○┼
├┼●A●●●┼
├┼┼C○┼┼┼
├┼●┼┼┼●┼
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白◇ノビに対して黒Aツギか黒Bオサエか。
この選択肢に黒Aツギでなく黒Bオサエを選ぶ級位者が多い。
確かに黒Bオサエは隅の要点でもあり白Bハイに比べて出入り10目以上の大きさだ。
また白Aでは黒Cキリで白を分断できここから戦いが起きても石数は圧倒的に黒が多い。
アジに無頓着な級位者は黒Aツギのような本手より黒Bオサエのゲンナマに触手が動くのは当然かもしれない。
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├┼1○○○○┼┼┼
├┼●2◆◆◆4D・
├┼┼3○┼AC┼┼
├┼●┼B┼●┼┼┼
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ツギを打たずに
1オサエなら
2デ
3キリは必然の流れ。
ここで
4ハネが打たれたとしよう。
本手の黒Bカカエを打たず黒Cハネ白Dノビと先手で黒◆を助けたと喜ぶ級位者が多い。
たしかに一時しのぎで黒◆3子は助かったに違いないがいずれは黒Bカカエと手を戻す必要がある。
その場合黒Cハネは白Dノビとの交換は大悪手だ。
これにかぎらず級位者は本手が嫌いで姑息な手が大好きだ。
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├┼┼┼┼●┼┼┼┼┼
├┼┼○┼●○○○○┼
├┼DCBA●●●○┼
├┼┼○┼┼┼┼┼┼┼
├┼┼┼┼E┼●┼┼┼
├┼┼○┼┼┼┼┼┼┼
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Aの断点を防ぐのに黒Bノゾキ白Cツギと打ち先手でキリを防げたと喜ぶ。
姑息な手段でAキリを防いだために黒Dノゾキのアジを消してしまったことに気がつかない。
後手でもじっくりと黒Eケイマツギの本手が打てない。
もっとも本手は正着とはかぎらない。
この場合は黒Dノゾキ白Cツギ黒ケイマが正着かもしれない。
また稀には姑息な手が正着なこともある。
しかしノータイムで打つなら本手。姑息な手を打たなければならないときは熟慮の上での決行でありたい。
ところが級位者は姑息な手が見えるとノータイムで姑息な手を打って得をしたと喜ぶ。
姑息な手との訣別。これが級位者からの脱却のポイントだと力説したい。