2007年11月11日

石取り碁は上達が速そう

 碁は取った石の多少で勝負するものではない。地の大きさで勝負するものだ。
 取ろう取ろうは取られの元。
 吾輩はことあるごとに石を取ろうとすることを戒めてきた。
 しかし碁を覚えてからわずか半年程度しか経ていないのに吾輩を3子でねじり伏せたぷーまさんの打ち方をみてその考えが変わった。
 石を取ろうとして打つ人の方が地を取ろうとして打つ人より上達が早いのではなかろうか。
 結城9段はプロになってからも低段のうちは石取り碁だった。地に辛いコンピュータ石田9段も院生の頃はゴリゴリの石取り碁だったという。
 強くなった人の多くはあるレベルまでは力碁で石取り碁だったようだ。
 鑑みるに地取り碁の方が上達を阻む要素が多そうだ。
  • 欠点を補わないで大場を打つ。

  • 弱い石を放置して敵の堅陣に殴り込みをかける。

  • スソにこだわる。

  • 役に立たない石を逃げ出す。
 これらの吐き気を催すような手はすべて地に拘泥することに起因する。地に拘泥した上に石を欲しがるのだから始末が悪い。
 石を取るのが楽しくてたまらない石取り碁の人は自分の石を攻められるのが何より嫌いだから役に立たない石を逃げ出したり欠点を補わないで大場を打ったり敵の堅陣に突入したりなどしない。
 地に拘泥しないから地を減らそうとしただけの手にはお付き合いしない。
 相手の欠点を虎視眈々と狙いチャンスと見れば襲いかかる。
 これらは碁の上達に非常に重要な要素だと思う。
 もちろん石取り碁には大きな欠点がある。
 石を取りたい一心で相手の石を自分の地に追い込んで活かして大損をしたりカウンターパンチを喰らってダウンしたりする。
 また狙った石をカス石にされてしまうと取ったけれども損をしたということもよくあることだ。
 しかし石取り碁は失敗した原因が明白だから同じ類の間違いを何回も繰り返さないですむ。
 これに対して地取り碁は損をしてもその原因がわかりにくい。上手から指摘されても自分の棋力では納得できない場合が多いからすぐに忘れ同じ間違いをうんざりするほど繰り返す。
 大場より急場ということを教わっても地が欲しいので急場があるのに大場を打ってしまうのも地取り碁の通弊だ。
 先手を打ちたい病も地取り碁の方が石取り碁より重症な感じを受ける。
 地なんか要らない石が欲しいに徹した方が上達が速いのではないかと思う今日この頃だ。
この記事へのコメント
石を取ろうとして打つ人の方が地を取ろうとして打つ人より上達が早いのではなかろうか、との説は正しいと思います。
私も大学2年までは石取り碁でした。試合でヨセで逆転負けを食らいまくって、ヨセで勝てるように棋風改造を心掛けたら約1年間のスランプに陥りました。

壁に当たったと感じるまで石取り碁で行った方が強くなると思います。試合で勝ちたいがために勝つテクニックを身に付けようという考え方は長い目で見れば上達の妨げになると思います。


Posted by みんみん at 2007年11月11日 21:56

 私のように石を捨てる楽しさから碁が好きになったのはイジメラレッ子だったからなんでしょうね。

Posted by 島谷 at 2007年11月12日 06:26

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