2007年06月25日

相手の協力を前提とした手は慎もう

 囲碁は好手で勝つのではない。悪手で負けるのだ。
 相手が悪手を打たない限り碁に勝つことはできない。
 だから相手の悪手を期待することは間違いとはいえない。
 しかし相手の悪手を前提とした手順で作戦を立てることは間違いだと思う。
 この手を打ったらこう打ってくれたらいいなぁ。そうでないと困るんだけどこの相手ならきっとこう打ってくれる。
 相手の協力を期待して打つのと相手に悪手を打たせるように罠や落とし穴を仕掛て打つのとでは大違いだ。
 尋常一様な打ち方では挽回できないほど敗勢の場合はダメモトで自分にとって都合がいい手を相手が打ってくれことを期待した手を打つ場合があるがそれは勝負手というより投げ場を求めての手だ。
 投げ場を求めるほどの形勢でもないのに相手に悪手を打たせる仕掛けを施す労力もかけず棚ぼた的に相手が自分にとって都合のいい手を打ってくれることを前提にした打ち方は見苦しいばかりでなく破滅の道へのプロムナードだ。
 勝負の女神ニケ様に溺愛されている人はこのようなキモイ打ち方をしてもニケ様が相手に毒気を吹っかけてこちらの思い通りの手を打たさせることもあろう。
 しかしニケ様の助力で勝つことはできても棋力の向上にはつながらないはずだ。
 こちらにとってありがたいという手を打ってくれることを前提とした手を打つことは指導碁や挽回不能の碁でないかぎり慎むように努力したい。

 相手の弱点を責め立てるのは勝負の鉄則だ。
 勝負として碁を打つ場合は盤上の最善手を追求するより対局相手の弱点を狙う方が勝率が高いかもしれない。
 ねじり合いに弱い相手には無理を承知で力戦にもちもむ。
 ヨセが下手な相手には少々損をしても妥協をして戦いを避けヨセ勝負にもちこむ。
 軽率な相手にはポカを狙って打つ。
 どれも勝つために効果的な手段には違いない。
 しかし相手のぼんやりミスうっかりミスだけを狙った打ち方は上達の妨げになると思う。
 相手が吾輩のようなうっかり八兵衛には非常に効果的な手段だが誰もがうっかり八兵衛とは限らない。
 うっかり八兵衛用戦法が習い性になってしまうと普通の人にも凡ミス狙いの手しか打てなくなり上達の道から遠ざかってしまう。
 凡ミス狙いはそれ以外には逆転の道がない場合に限定するのが上達の近道だと思う。

この記事へのコメント
 たくせんさんのコメントをSendmailで受信しましたがSeesaaで受信していないので転載します。
 昨日はSeesaaが不調なのか板垣さんのコメントも受信していませんでした。
赤面しながら読みました。

さすがに意識してうっかりミスを期待する手は打たないつもりですが、こちらの棋力が不足で、打つ事は毎度の事。

相手があたりにつないだだけで、手がないことに気づく。

形勢判断をしてみたら、30目も負けているのに、3目の手に工夫したり、ぜんぶうまくいってもまるっきり足りない。

自分が外からみてもうっかり狙いだなあ、と思えるのに対局中は気がつかない。

注意力不足でもあるんだろうなあ。うっかり勝ってしまっても後はむなしい。
 私は計算オンチなので30目も負けている碁を勝っていると勘違いして妥協して差を広げてしまうことがあります。(/o\)
 意識せず手のない手を打ってしまうのは棋力ですからしかたありません。私も年中行事です。
 この場合はアジ消しではあっても地的には損をしていないことが多いのではないでしょうか。
 相手がぼんやりしていなければ間違えるはずがなく間違えなければ損をするような手を平気で打つ人が少なくありませんね。
 このような手を打たれてまんまと間違えるのは間違えた方が悪いのですから打った人を非難するのは逆ギレというものですが凡ミスだけを狙って打つ人は上達しにくいのではないかと思っています。


Posted by たくせん(島谷転載) at 2007年06月26日 04:18

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