2007年04月15日

吾輩は英語認知症

 オバカタレントの珍答で視聴者の優越感をくすぐるクイズヘキサゴン2という娯楽番組がある。
 この番組でオバカタレントにふりがなのない問題を読ませて解答者に答えを求めるクイズがある。
 ヤラセではないかと思うほどお茶目な読み方をするので見ていてお臍でお茶を沸かせそうだ。
 しかし英語の読みのときは笑ってはいられない。
 吾輩も読めないし意味もわからない。
 吾輩の英語能力はオバカタレント以下なのだ。

 吾輩がWINGで碁を打っていた頃の話しだ。
 WING常連のdamonさんが世界アマのアメリカ代表になって日本に来ることになった。
 世界アマ戦が終わってからWING仲間が横浜の中華街で歓迎オフ会をすることになり吾輩も参加した。
 オフ会は20人ほど集まったが吾輩以外のWING仲間は英語が堪能だ。
 mabさんにいたっては学生時代に通訳のアルバイトをしただけあってネイティブな英語をしゃべる。
 damonさんは安心してペラペラと英語で話す。
 吾輩はチンプンカンプンだ。
 damonさんが挨拶でマイクを握る。
 ジョークを言ったらしくみな笑う。
 吾輩はさっぱりわからないのでポカーンとしている。
 そばの人が私に通訳してくれる。
 巧みなジョークなので笑ってしまう。
 あまりにタイミングがずれた笑いなのでそれが皆の笑いを誘う。
 さんの挨拶が終わるまで吾輩はタイミングが遅れた笑いを続け皆は吾輩のおかげで2度笑うことができた。
 吾輩はクイズヘキサゴン2のオバカタレントの役割を演じたわけだ。

 大学4年間を通してAが6つしかなく殆どが限りなくDに近いCだった超劣等生の吾輩でも小中学校の頃は体操・図工・音楽以外は優等生だった。
 高校も1年生1学期までは成績のいい方だった。
 英語は中学から教わるからきっと中学校の英語はいい成績を収めていたに違いない。
 ところが中学校レベルの英語さえわからないし中学校でどのようなことを習ったのか記憶にない。
 暗〜〜〜いこどもの頃の思い出を消し去るよう脳裏のDelキーが押されたとき中学校で習った英語・地理・歴史など嫌悪感のあった教科の学習内容も一括削除されてしまったようだ。

 英語できないために得をしたことがある。
 オーストラリアのケアンズに住んでいた娘の出産手伝いのためワイフを連れて娘夫婦の家に赴いたときのことだ。
 英語が全然わからない我輩は税関の荷物検査に備えてあらかじめ梅干、煎餅、和菓子など持参するものを和英辞典で調べて紙に「梅干:a pickled ume [plum]; plum pickles 」のように辞書を丸写しして記録した。
 ケアンズ空港の税関でトランクを開けて紙を見ながらジス・イズ・ピッケルド・ウメなどとしゃべり始めたところ税関の係官が手を伸ばしてその紙をよこせという身振りをする。
 紙を渡したらにこにこしながらサンキュー・プリーズといって出口を指差す。
 どうやら出ていいらしい。
 そのまま出ていったら迎えに来ていた娘婿は早いとオッタマゲていた。
 ケアンズ空港の税関の係官はノロマなうえ食べ物に関しては厳重に検査するので我輩が持っていた荷物だと通関に20分以上かかるのが普通だとツアコンをしていた娘婿は言う。
 それが5分もかからないで我々が出てきたので驚いたようだ。
 英語ができないからこその御利益であった。

 我輩がこんなことを書いていられるのも英語ができないおかげだ。
 もしも我輩が若いときに英語が堪能だったら日本の慣習が大嫌いな我輩のことだ。
 前後の見境もなく日本を飛び出しているだろう。
 そしてアメリカの場末で野垂れ死にしているはずだ。間違いない。
 英語ができないから日本にしがみついて生きながらえている。
 これは英語ができない罰なのかなぁ。

この記事へのコメント
抱腹絶倒です
メキシコのカンクンへ行ったときレストランで西洋人に英語で話しかけられた。それに必死に回答するのだが通じない。見るに見かねたのかメキシコ人の店員が、下手な英語でその西洋人に告げた

ヒズ イングリッシュ イズ バッド。ビコウズヒー イズ ジャパニーズ。

日本人の英語認知症は、島谷さんや私だけでは無いらしい。

Posted by 勝手読み at 2007年04月15日 09:35

 WINGのオフ会で私以外の約20人の日本人が英語を喋れたのはすごいことなんですね。

Posted by 島谷 at 2007年04月15日 09:58

>WINGのオフ会で私以外の約20人の日本人が英語を喋れたのはすごいことなんですね。

それは、異常としかいいようがないと思います。
小生も英語はキライでしたが、技術的な話に限っては何とか通じました。しかし、食事のときはチンプンカンプン。

先週、京都駅で新幹線の座席指定をとろうとしたら、となりの外人が紙をみせて「品川」と言うので、切符を買ってあげました(一日一善という感じ)。英語は満足にしゃべれなくても、用が足せれば十分です。

>メキシコのカンクンへ行ったときレストランで西洋人に英語で話しかけられた。それに必死に回答するのだが通じない。

昔、米国に入国するとき、黒人の係員が何か言うのですが、さっぱり意味がわかりません。3度目か4度目の時に、やっとわかりました。彼は、発音の悪い「日本語」で聞いていたのです。日本の入国審査の係員やJALのお姉さんの英語は、ちゃんとネイティブでもわかると思います。

>ヒズ イングリッシュ イズ バッド。ビコウズヒー イズ ジャパニーズ。

ですから、恥ずかしいことは何もありません。ヒズ ジャパニーズ イズ ベリーベリーバッド。ビコウズヒー イズ アメリカン!

>これは英語ができない罰なのかなぁ。

世の中、うまくできていますね。
捨てる神あれば、拾う神あり。
何でも、長所になるときもあれば短所になるときもある。
人間万事塞翁が馬。
おめでとうございます。善かったですね。

Posted by Takkun at 2007年04月15日 11:50

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