2006年07月12日

置碁よ永遠なれ

 碁を教えるときに苦労するのはなんだろう。
 ルールが少なく自由度が高すぎる。
 これにつきるのではないだろうか。
 ルールが複雑なものはルールを覚えるのに一苦労するがルールさえ覚えてしまえば下手なりに遊ぶことができる。
 たとえば麻雀はルールを教えれば直ちに仲間入りしてルールを頼りに遊ぶことができる。
 しかし碁はルールがほとんどないからルールを頼りに打つことができない。
 初期の碁が対角の星に石を置いてから打ち始めるのは自由度を減らすためだったに違いない。

 碁はだだっ広いだけでなんにもない広場のようなものだ。
 テレビゲームしかしたことのない子どもをこんな広場に連れてきてさあ遊べと言ってもなにをして遊んでいいかわからずうろうろするだけだろう。
 なにもない広場で自由に遊ぶには豊かな創造力が必要だ。
 広場にジャングルジム、ブランコ、鉄棒、滑り台などの遊具が備えてあれば創造力が乏しい子どもでもそれなりに遊べるだろう。
 ただし遊具を備えればそれだけ自由に使える空間は狭くなるから創造力が豊かな子どもはよけいな遊具がない方が楽しいに違いない。

 碁を教えるときハンデとして石を置かせるのは碁の自由度を低くする素晴らしい知恵だと思う。
 置石はだだっ広い公園に設置した遊具のようなものだ。
 すでに石があるからこれを足がかりにして覚えたばかりの人でも石を置きやすくなると思う。
 吾輩は置碁があるから碁が普及したのではないかと思っている。

 置碁はよくない。ハンデはコミですべきだという意見があるがこれは強い人の考え方だと思う。
 井目置く代わりに何も置かずにコミを150目貰い、あっちボロボロこっちボロボロと取られまくり、盤面149目負けだがコミがあるから1目勝ちで嬉しいだろうか。
 吾輩はコミでハンデを調整するのは20目が限度だと思っている。
 またハンデを置石でなくコミにすると置石がないから自由度が高すぎて初心者はどこに打っていいかわからない。
 とりあえず白が打った付近に打とうということになってしまうのがオチだ。

 置石があればその置石をどう利用したらよいかという学習の目標が与えられる。
 しかも置石は星にあるのでそのままでは地にならないから攻めながら地を囲う学習もできる。
 置碁を考え出した先人の知恵は驚嘆に値する。

 置石は星に限定せず自由に配置する自由置碁を提案する人も少なくない。
 棋力があるレベル以上に達したらそれもいいだろう。
 しかし最初のうちは碁盤にある星が目印になっているからそこに石を置く普通の置碁がいちばんわかりやすいのでないかと思う。
 自由置碁が普及してもいままでの置碁は入門者指導用として重要な役割を演じるに違いない。


この記事へのコメント
 どうもです。都筑てんがです。

 島谷さんのブログ、リンクさせて頂きました。
 今後とも、どうぞウチのブログをよろしくお願い致します。

 確かに、置石は、あらかじめ打つ場所が少なくなってるし、白(上手)が先手だから、下手は基本的に相手の手に対応していけばいいので楽かもしれませんね…。

 囲碁ソフトなんかでも、囲碁入門ソフトの場合は、igowinみたいな感じで、置碁(置石数最大)から始めて、コンピュータに勝てば石を1個減らし、負けたら石を1個増やし…みたいな感じで、プレイヤーに合った棋力調整をするモードがあってもいいような気がしないでもない今日この頃です。

 いきなり互先に挑戦して挫折する初心者って多そうな気がしますし…。それを防ぐためにも、入門ソフトは置石がデフォルト…になって欲しい気がします。

 そういえば、「簡単銀星囲碁」とかいうソフトは、19路オンリーで、コミも置石も設定できなかったような。いくらなんでもそれは酷いと思ってみたり。
http://shop.vector.co.jp/service/servlet/Catalogue.Detail.Top?ITEM_NO=SR078022

Posted by 都筑てんが at 2006年07月12日 10:29

島谷さんのブログ、リンクさせて頂きました。
 今後とも、どうぞウチのブログをよろしくお願い致します。
 ありがとうございます。
 都筑てんがさんのブログもリンクさせて頂きました。
 いきなり互先に挑戦して挫折する初心者って多そうな気がしますし…。それを防ぐためにも、入門ソフトは置石がデフォルト…になって欲しい気がします。
 あるいは入り口画面で置石を選択できるようにして欲しいですね。

Posted by 島谷 at 2006年07月12日 10:58

コメント少しずれますが、囲碁は五並べ位しか出来ません。 しかし家には父が使用した碁盤・碁石があり、囲碁の専門書十冊本箱に入っています。 囲碁相当強く郡山市或いは電力会社の大会では優勝すること度々でした。 懐かしい思い出です。 

Posted by けすいせ ましよ at 2006年07月12日 17:52

私は囲碁というゲームの最大の特長は「大多数の愛好者の生涯勝率が5割に近くなる」点にあると思っています。これは置碁でハンデを付ける方式が極めて優れているからでしょう。

将棋なんかはそうならないらしいです。例えば6枚落ち(井目に相当?)で初段と10級が指すと、下手の王が詰むのが遅くなるだけで、最後は上手が勝つことが圧倒的に多いという話です。

Posted by moto at 2006年07月12日 18:32

 けすいせ ましよさんの御尊父はアマ強豪だったのですか。
 きっと素晴らしい盤石なんでしょうね。
これは置碁でハンデを付ける方式が極めて優れているからでしょう。
 私もそう思います。
 しかもハンデを比較的リニアーなことが素晴らしいと思っています。

Posted by 島谷 at 2006年07月13日 05:09

 囲碁が難易度調整で優れているところは、難易度設定のオプションが多いところでしょうね。

●盤の大きさを変えられる

 ・19路盤がデフォルトだけど、
  入門者向けの小さいものは5〜6路盤から、
  9路盤、13路盤、15路盤(連珠用)…と
  段々とステップアップする余地がある。
  マニアのための25路盤まであったような。

●置石の数を変えられる

 ・置石の数を色々と設定できる。
  2子局から9子局までが普通だが
  それ以上の置石を設定することも可能。
  そういや、風鈴井目中四目って
  何子でしたっけ?(*´д`*)

●コミの数を変えられる

 ・コミが0.5目単位でいろいろ変えられる。
  半目じゃなくてもいいし(持碁が可能)、
  逆コミも設定することが出来る。

●時間方式が色々ある

 ・普段は全く意識しなくても良いですが、
  全部で何時間…とか、一手何分…とか、
  考慮時間が何回あるか…とか、色々な
  制限時間システムがあることでしょうか。

 将棋やチェスだと、相手の実力に合わせたハンデ調整はかなり難しいでしょうね…。
 盤の大きさを変えるのはまず難しいでしょうし…。

 オセロなら盤の大きさや形は色々変えられますが、石がひっくり返りまくるゲームの性質上、初期の置石が増えたから有利になる…とも限らないのが難しそうです…。
 コミは付けられそうですけどね。

 ハンデの付けやすさでは、囲碁は、かなり柔軟にハンデを設定出来る…のですが、はたしてそれをうまく一般にアピールできているかというと…。

 テレビが一般に目にすることが出来る囲碁の姿って、「じゅうびょ〜う」「にじゅうびょ〜う」だしなぁ…。札束カウント幽霊かよ。

Posted by 都筑てんが at 2006年07月13日 13:34

ていうか、幽霊が数えてるのは札束じゃなくてお皿だ。

「じゅうびょ〜う」「にじゅうびょ〜う」「ああ…時間がたりなーい」

Posted by 都筑てんが at 2006年07月13日 13:46

 ・19路盤がデフォルトだけど、
  入門者向けの小さいものは5〜6路盤から、
  9路盤、13路盤、15路盤(連珠用)…と
  段々とステップアップする余地がある。
  マニアのための25路盤まであったような。
 1×4の碁盤でも遊べますよ^^
   ┣╋╋┫
 日本ルールと中国ルールで勝敗が揺れるんです。

Posted by 島谷 at 2006年07月13日 14:25

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