2009年04月21日

下手が打つ無理

 無理が通れば道理が引っ込む。無理手で得た利益は本手で得た利益より遙かに大きい。濡れ手で粟の暴利を求めて無理手を打つのが極道の性だ。
 我々の打つ碁は無理だらけだ。特に置碁のときは著しい。
 置碁の無理というと上手の専売特許と思う人が多いがとんでもハップン歩いてジュップン。下手の方が上手より遙かに無理な手が多い。
 確かに強引な手は下手より上手の方が多い。しかし無理な手は強引な手だけとはかぎらない。
 下手の石がコロコロ死ぬのは無理な手を連発するからだ。
 上手が打つ無理と下手が打つ無理には大きな違いが感じられる。
 上手が打つ無理は主導権を得るための無理なのに対して下手が打つ無理はゲンナマに目が眩んだ無理だ。
弱い石をホットケーキにして大場を打つ
 弱い石を攻められ大場に打った石が遊んだ石になったりモチコミの石になったりする。
傷だらけのからだでトリカケに行く
 取ろう取ろうは取られのもと。
 カウンターパンチを喰らったり傷を突っつかれてボロボロになって討ち死にする。
厚味にへばりついた石を逃げ出す
 上手は逃げ切れられても痛くもかゆくもないのでダメ場を泳がせてあちこちでご馳走を頂戴する。
2カ所にある弱い石を交互に逃げる
 2手連打出来るわけでないのでどちらかが大損する。場合によっては両方とも大損をする。
 置碁では最初はどこもかしこも黒の勢力だから上手の立場としては主導権を得るためにある程度の無理を打つのはやむを得ない。
 しかし打つに従い下手はあっちも稼ぎこっちも稼ごうというやらずぶったくり精神を発揮して無理を連発する。
 だから上手は自分からは無理を仕掛けず下手が打つ無理を咎めれば自然に碁は好転する。
 主導権を得ようとするための無理は棋力向上に役立つが無理とは感じずに打つ無理は棋力向上の妨げになる。
 買い物をしたら代金を支払わなければならない。代金を値切るのは買い物の常道だがレジに置いた代金を持って逃げるのは犯罪だ。
 買い物はしたいが代金を支払いたくないというのは無理な考えだ。
 級位者は自分の打つ手が無理な考えに基づくものでないか意識しながら打って欲しい。
この記事へのコメント
白の 底抜けバケツの模様に 黒さんが飛び込んできたときは 思わず 「よしっ」となり囲碁らしくなります、
 張り詰めた気分になります。

 無理手・お互いに楽しんでいるのでは?
 お前勉強してるのか? ともなりますね。
 エエ加減でその手やめろよ ともなりますね。 

Posted by あき at 2009年04月21日 08:26

 白模様に侵入するときは無理を自覚していると思いますが、あてもなく逃げ出したり急場を打たないのは無理の自覚がないと思いますよ。

 豪腕さんは無理を楽しんでいるようですねぇ。

Posted by 島谷 at 2009年04月21日 08:47

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