バックミラーを見るとカッコいい車が迫ってくる。
自分より早い車が後に着いた場合は、すみやかに追い越させてやるのがマナーというものだ。
できるだけ道路の左側によって追い越せるスペースを明けてから少し減速すると、後ろの車は颯爽と追い越して行き、追い越し終わるとハザードランプを点滅してお礼の挨拶をする。
しばらく走っていると車の流れが遅くなり、間隔が詰まってきた。
見通しのよいカーブで前方が見えると軽自動車がノロノロと走り、その後ろに車が数珠繋ぎになっている。
後続車は、追い越し禁止の道路ではあるが、対向車が途切れると対向車線にはみだして軽自動車を追い抜いて行くが、軽自動車は左に寄ろうともしない。
順番に車が追い越して行き、軽自動車の後ろにつく破目になった。
追い越しにかかったところ、対向車線に猛スピードの車が現れたので、左側に避けたところ追越し中の軽自動車に接触した。
この場合、どういうことになるだろう。
- この道路は制限速度40km/hだが60km/hで流れるのが慣習だから、流れに従って走るのがマナーだ。
ルールよりマナーが優先するからノロノロと制限速度で走る軽自動車が悪い。 - 追越されるときはできるだけ左側に寄って追越しやすくするのがマナーだ。
少し左に寄ってくれさえしたら、接触するはずがないから、道を譲らない軽自動車が悪い。
仲間内では軽自動車の運転者を罵っても、軽自動車の運転者はルールを侵していないのだから処罰することはできない。
広い道路を快適に走れるようにするためには、制限速度を60km/hに変更する、追い着かれたとき道を譲らない車を厳しく取り締まるなどルールを改正するほかないはずだ。
ところで、この道路が制限速度50km/hでこの軽自動車が40km/hで走っていたとしよう。
この車を50km/hの速度で追越をかけて接触したときはどうなるだろう。
-
制限速度より遅い速度で走っているにも関わらず後続車に道を譲ろうとしなかったから追い着かれた車の義務違反という交通違反をしている軽自動車の方が罪が重い。
- 接触したこちらも悪いかもしれないが、その原因となったのは交通妨害をした軽自動車だ。
むしろ、こちらが被害者だ。
こちらだけ罰せられるのは不当だ。
喧嘩両成敗で接触された車も処罰せよ。
せいぜい、損害賠償の民事訴訟の際に、軽自動車の交通違反が過失相殺されて賠償金額が減額される程度だろう。
マナーや慣習がルールに優先するのはあくまでも閉じた社会の中での日常生活に限られる。
公式な場面では、マナーや慣習に従った行動がルール違反なら、それが発覚した場合はルールに従った処分を受けるのはやむを得まい。
万人が納得するマナーや慣習がルール違反として咎められるのなら、ルールの改定運動を起こすべきだ。
また、マナーや慣習に従ってルールを破る場合は、摘発された際には処罰を覚悟する必要があろう。
